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会話集/1部 9章 闇よりの生還者

ワールドマップ

捕虜救出のため、あえて敵の罠に飛び込み
寡兵で駐屯軍を打ち破ったミカヤ

イズカが宣伝するまでもなく
シフ沼での彼女の活躍は瞬く間に

デイン中に知れ渡ることとなった

人々はミカヤを女神の使い――

【暁の巫女】と褒め称え
待ち望んでいた救世主の出現に胸を躍らせた

各地では民衆が一斉に蜂起

その爆発的な広がりは散発的な暴動の域を越え
駐屯軍といえども、もはや抑えようがなかった

ここにいたって、ジェルド将軍はデイン全土の掌握を断念
駐屯軍を王都周辺に集結させる

いまだ解放軍をはるかに越える大兵力で
分厚い守りを固めようとしたのである

しかし、勢いづく解放軍にとって
士気の低下した駐屯軍はもはや敵ではなく

次々と防衛線を突破していく

ラグズの件で
ミカヤたちはイズカとの確執を内包したままであったが

解放軍は破竹の快進撃を続け
ついに王都まであと数日というところに迫った

オープニング

【トパック】(左)
おい、聞いて驚け!
大ニュースだっ!
【サザ】(右)
どうした、そんなに慌てて?
【トパック】
ベグニオンから、
神使の視察団が来る!
【ミカヤ】(右端)
ほ、本当…!?
【トパック】
やっと準備が整ったって
神使から連絡が入ったんだ。
ついでに、この知らせは
同時に駐屯軍側にもいってるらしい。

神使は帝国皇帝の名において、
これ以降の軍事行動を、一旦
全て停止せよって勅令を下したそうだ。
まったく、やってくれるぜ!
【ミカヤ】
じゃあ……
もう、戦わなくてもいい…の?
【サザ】
あぁ…
……あまりにあっけなくて
信じられないけどな……
【トパック】
心配ないって!
視察団長は、ペルシス公だって話だし。
彼らが到着すれば、もう勝ったも同然だって。
【サザ】
ペルシス公だと?
そんな大物を派遣してくれるのか。
【トパック】
ほんと驚くだろ?
神使に感謝しないとな!
【ミカヤ】
…どういう方なの?
ムワリム現れる
【ムワリム】(左端)
ペルシス公は、若くして
元老院議長を務められ……
なおかつ、神使様を補佐する
宰相という地位の…有能なお方です。
【トパック】
すっげえ、いい人!
おれたちにも親切にしてくれるし、
あんななよっとした姿なのに
めちゃくちゃ切れ者ってとこも、
尊敬しちまうんだよな~。

前の戦いでもさ、元老院は
クリミアに兵を貸すのを渋ってたんだけど、
ペルシス公が戻ってきたら、
あっという間に派兵が決まって……と、

……悪い。
【ミカヤ】
どうして謝るの?
【トパック】
や、だってさ…
クリミアが戦ったのはデインじゃん。

ベグニオンの派兵がなかったら、
デインもこんな状態に
なってないかもしれないのに……

それを決定した奴を褒めるのは
無神経かなー…って。
【ミカヤ】
そんなこと気にしなくていいのに。
視察団の長が良い方なのは、
デインにとって嬉しい報せだわ。
【トパック】
…だよな?

じゃあさ、早速、
他の奴らにも知らせて来いよ。
みんなを早く喜ばせてやんねーと。
【ミカヤ】
ええ、ありがとう!
いきましょう!
ミカヤ消える
【サザ】
? どうした、
おまえたちは行かないのか?
【トパック】
えーっと…うん。
おれたちは遠慮しとく。
ミカヤ現れる
【ミカヤ】(右端)
どうして?
視察団が来てくれるのは
あなたたちのお陰なのよ?
いっしょに王子に報告を……
【トパック】
いや、そうなんだけど。
でもいいから…!
【ミカヤ】
……イズカ殿ね?
王子の傍にはあの人がいるから……
【トパック】
…うん、そういうこと。
だからさ……
【ミカヤ】
じゃあ…報告を済ませたら、
またすぐに戻ってくる。
待っててね?
【トパック】
わかった。
わかったから、早く行けって!
ミカヤ・サザ消える
【トパック】
……あとちょっとだ。
嫌なこともあったけど、
最後まで見届けさせてくれな?
【ムワリム】
はい、坊ちゃん。
あなたが望むとおりに。
画面暗転
デイン王城
【帝国の使者】(右)
…以上、
皇帝陛下よりの勅命である!
駐屯軍はただちに武装を解除、
デイン王城内に集まり
視察団の到着を待つように。
【ジェルド】(左)
…………
【帝国の使者】
ヌミダ公は、万事において
そなたたちが勝手にやったことだと
申し出ておるが……

神使様は、そなたたちの申し開きを聞き
その上で判断されると仰られておられる。
助かる道は、まだ残されているのだ。

思慮に欠ける行動をとり、
自分たちに不利になることがないよう…
くれぐれも注意なされよ。
【ジェルド】
……それはもう。
神使様のご配慮に対し、
心より御礼申し上げますよ。

全て使者殿の
仰られるとおりに致しますとも。
画面暗転
【ジェルド】(左)
はっ あのお方にしては
実に見事な幕引きだ。

まさか駐屯軍全てを切ってくるとは……
それだけの度胸があるなんてな。
く くくく
【アルダー】(右)
全て終わり…ですか。
我々はヌミダ公の罪を被って処断される……

お情け深き神使様が、
こちらの言い分も聞いてくれるというのが…
せめてもの救いなんでしょうかね。

ヌミダ公を、なんとか
道連れにできるといいんですが。
【ジェルド】
それは…間違いなく無理だ。
なにしろ俺たちは、ヌミダ公……
引いては元老院の不正の証のようなもんだ。

神使に会わせるぐらいなら、
どんな手段を講じてでも始末にかかるだろうさ。
そしてそれを…神使では止められない。
【アルダー】
もう、何もかも捨てて逃亡し……
夜盗団にでもなりますか?
【ジェルド】
いや…そこまでして
生き延びたいとは思わない。

俺たちは腐っても帝国軍人だ。
強盗になって生き延びるよりは
戦って死ぬ道を選ぶ。そうじゃないのか?
【アルダー】
……将軍なら、
そう言うだろうと思ってましたよ。
【ジェルド】
道連れにするなら、
あんな老いぼれ爺より
おあつらえ向きの獲物がある。

俺たちの計画をとことん覆し、
いまの状態に追い込んでくれた……
あの娘がな。
【アルダー】
ジェルド隊最後の仕事としては
うってつけですな。
皆、張り切るでしょう。
【ジェルド】
作戦は今深夜決行。
狙うは……小娘の首ただひとつ。
画面暗転
解放軍陣営
【デイン兵】(上)
おれたちは、帝国に勝った!
祝いだ! 祝いだ!
【デイン兵】(下)
うおー すげえ。
うまそう!
【デイン兵】(上)
デイン王国ばんざい!
今夜は食うぞーっ!!
【イズカ】(上)
ウオホン!
皆、静まれ!!

これよりペレアス王子から
お言葉がある。
……王子、どうぞ。
【ペレアス】(上)
みんな、
これまでよくやってくれたね。

帝国から神使の視察団がやってくれば、
デインは解放される!
戦いは終わったんだ。

少し気が早いけど、
今夜はその祝賀会だ。
酒も料理も存分に用意した。
どうか心ゆくまで楽しんでくれ。
【デイン兵】(下)
はーい、楽しんでまーす!
【ペレアス】
今夜は無礼講だ。
好きなだけ騒ぐといい!

拠点終了後

【ミカヤ】(下)
……ふぅ…

ユンヌ…!
どうしたの? あなたまで
抜け出してこなくていいのに。

くす
あなたは不思議な鳥よね……
夜でも自由に飛びまわれるなんて。

ねえ、ユンヌ……
わたし…なんだかとても疲れたわ。
視察団が来ると決まって…
やっと肩の荷が下りたのかも。

……ユンヌ、もう少しでネヴァサよ。
あの懐かしいネヴァサに…帰れる……
……そして… デインを……
…… ………………
ジェルドたちが出現
【ジェルド】(下)
……
馬鹿騒ぎを逃れて1人きりか。

ずいぶん無用心じゃないか、
【銀の髪の乙女】……
いや、いまは【暁の巫女】だったか。

お得意の奇跡とやらを、
起こせるものなら起こしてみろ。
【ミカヤ】(上)
……ん……
…な…に…….

!!
……敵っ!?

戦闘開始後

【ジェルド】(上)
もっと早く……
あの森でおまえを捕らえたときに
殺しておくべきだったな。
【ミカヤ】(下)
ジェルド将軍…!?
どうして、ここに……
【ジェルド】
ほう、覚えていたか。
……多少は成長したようだな。
以前は構えても隙だらけだったのに。
【ミカヤ】
………
【ジェルド】
おまえのお陰で俺は滅びる。
だが、どうしても道連れが欲しくてな。
だから迎えに来てやったぞ。
【ミカヤ】
わたしを殺しても…
何も変わらないのに?

王子がいれば、デインは
再び王国として復活できるわ。
【ジェルド】
ははっ 王子か!
いたな、そんな奴が。
あんな小物が王になったところで
何ができる!?

せいぜい国が荒れる原因に
なってくれるぐらいさ。
【ミカヤ】
王子を侮辱しないで!
あなたに何がわかるの!?
【ジェルド】
わかるさ。
あれは自ら光を放つことのない
まがい物の石くれだってな。

民を惹きつけてやまぬ輝き、
人を支配する力をもった宝石は……
ここにある。
【ミカヤ】
………
【ジェルド】
民が欲しているのは
王子などではない。
おまえだ、【暁の巫女】。

だから俺はおまえを奪う。
デインという国から
希望の光を奪ってやるのさ。
【ミカヤ】
いいえ、希望は消えないわ。
あなたたちがどれほど押さえつけようと
みんなの心の中には希望が残っていた。

デインを…自分たちの国を
取り戻したいという想いが残っていた。

たとえわたしが死んだって、
その気持ちは消えたりしない!
【ジェルド】
……じゃあ、試してみよう。
俺とおまえ、どっちが正しいのか……
死の先に世界があるなら、
そこから確かめてみることだ!!
ジェルドが移動
【ミカヤ】(下)
!!
漆黒の騎士が出現
【ジェルド】(上)
ぐは……!?
【ミカヤ】(下)
あ、あなたは……?
【漆黒の騎士】(下)
…安心するがいい。
乙女よ、そなたには指一本触れさせぬ。
【ジェルド】(上)
貴様…貴様は……
【漆黒の騎士】
私はかつて…デイン王国軍にて
【四駿】の位を冠した者。
漆黒の騎士という名に聞き覚えあらば、
この場を退くがいい。
【ミカヤ】(下)
あなたが……
あの漆黒の騎士…?
【ジェルド】(上)
馬鹿な…
漆黒の騎士なら……
3年前の戦いで死んだはずだ。

じゃあ、何か?
おまえは、その亡霊だとでも
言うつもりか!?
【漆黒の騎士】(下)
……退かぬのか?
【ジェルド】
へ… へへ
おまえが本物かどうか、
試してみるのも一興だ。

何の術を使ったかは知らんが、
不意打ちをくらわせたぐらいで
俺を負かしたとは言わせんぞ。
【漆黒の騎士】
愚かな……
では、くるがいい。
【ジェルド】
あぁ。だが……
まずは俺の可愛い部下たちの
相手をしてもらおうか。

明かりを消せ!!
視界が狭くなる
【ミカヤ】(下)
……あ……
【漆黒の騎士】(上)
乙女よ。
私がそなたの盾となろう。
決して傍を離れるな。
【ミカヤ】(下)
は、はい。

ミカヤ→漆黒の騎士

【ミカヤ】(下)
あの…
【漆黒の騎士】(上)
……辛くはないか?
【ミカヤ】
はい。
だいじょうぶです。
【漆黒の騎士】
乙女よ、私の近くに。
そなたは……必ず守る。
【ミカヤ】
騎士様……

ミカヤ救出時

【ミカヤ】(上)
騎士様…
わたしなら平気です。
わたしもいっしょに戦います。

ミカヤ死亡時

【ミカヤ】(上)
わたしが…死んでも……
…デインは……きっと………
ご…めんね… サ…ザ…………
【漆黒の騎士】(下)
……乙女が失われ、
奇跡は潰えた……
デイン再興もまた幻と消えるか……

ジェルド初戦時

対ミカヤ
【ミカヤ】
ジェルド将軍!

あなたたち駐屯軍に、
デインの民がどれほど
苦しめられてきたか……
その報いを受ける時が来たのよ!
【ジェルド】
地べたを這いまわる
虫けらの気持ちなど……
俺の知ったことか!
対漆黒の騎士
【ジェルド】(下)
くっ 強い……!
【漆黒の騎士】(上)
…貴様ごときに
私の相手が務まると思ったか?
身の程をわきまえよ。

クリア後

【漆黒の騎士】(右)
祈るがいい。これで止めだ。
【ジェルド】(左)
へっ……
情け深いことだ………
画面暗転
【アルダー】(左・左向き)
ぐ……
【ジェルド】(左端)
アルダー!? おまえ……
漆黒の騎士後ろに下がる
【漆黒の騎士】(右端)
………
【アルダー】
…陽動隊……任されましたけど…
……やはり最後は……
将軍と…共にありた…いと……
【ジェルド】
馬鹿め……
【アルダー】
ジェルド将軍… …あなたは……
めちゃくちゃな上司でしたが……
そ…れでも………
……私も…部下たちも
みんな……あなたを慕って……

………………
【ジェルド】
………………
【漆黒の騎士】
………
【ジェルド】
どうした?
なぜ……殺さない?
【漆黒の騎士】
生憎だが、
武器を構えぬ者を斬る剣は
持ち合わせていない。
ジェルド前に出る
【ジェルド】(左)
…っざけるなぁっ!!!
ミカヤ現れる
【ミカヤ】(右)
やめて! もう、やめて!!
あなたを庇って死んでいった人がいる。
それなのに…どうしてまだ
命を捨てようとするの…!?
【ジェルド】
………っ!
ジェルド消える
【ミカヤ】
…………
【漆黒の騎士】
このまま…見逃すのか?
【ミカヤ】
……時間をあげたいんです。
失った仲間を埋葬し
祈るための時間を………
【漆黒の騎士】
そうか。
画面暗転
【ミカヤ】(右)
あの…助けてくださって
ありがとうございました。
【漆黒の騎士】(左)
……いや。
【サザ】(吹き出しのみ)
ミカヤ、無事か!?

――っ!
サザ現れる
【サザ】(右)
おまえ……!
【ミカヤ】(右端)
やめて、サザ!
この人は…わたしを助けてくれたの!
【サザ】
!?
【漆黒の騎士】
………
【サザ】
ミカヤ、
こいつが誰か分かっているのか?
【ミカヤ】
漆黒の騎士……デイン人で
その名を知らないものはいないわ。
アシュナード王の【四駿】の一。
最強の剣使い……
【サザ】
そう、そして……
クリミアのナドゥス城で
アイク将軍によって倒された。

それが…どうして
生きてここにいるんだ!?
【漆黒の騎士】
私は…あの者との勝負に敗れはしたが、
死したわけではなかった。
その証拠に……こうしてここにいる。
【サザ】
何が目的だ?
【漆黒の騎士】
デイン王国の復興……
そのために来たのだ。
【サザ】
……それが真実だとしても…
もうその必要はない。
戦いの決着は既についた後だからな。
【漆黒の騎士】
…果たしてそうだろうか?
【サザ】
なに…!?
【ミカヤ】
サザ…
さっきまでここに
ジェルド将軍がいたの。
サザが右を向く
【サザ】(右・右向き)
あいつ…!
襲撃の目的は
王子だけじゃなかったのか!?
【ミカヤ】
この方が助けてくれなければ……
わたしはあの男に殺されていたわ。
【サザ】
……ここには、奴の死体がない。
ということは…生きているんだな?
【ミカヤ】
ええ。

!!
………………………
………あ…そんな……
【サザ】
どうした!?
【ミカヤ】
……………
希望の光の前に…暗雲が見える……

もしかすると……
彼を逃がしたことによって
よくないことが起きるのかも………
【サザ】
分からないのか?
【ミカヤ】
……黙ってたけど……
少し調子を崩していたの。

頭がぼぅっとして……
いつもは鮮明に見えるものが
ぼんやりとしか見えない。
声が聞こえたのも…久しぶりで……

わたしは…取り返しのつかないことを
してしまったのかもしれない。
【サザ】
……いいや、
おそらく大丈夫だ。

さっき王都からの報せが届いた。
視察団に先がけて
帝国の使者がネヴァサに到着したと。

使者はデイン王城に赴くなり
皇帝の命によって駐屯軍の権利を剥奪し
全員の身柄を拘束したそうだ。
【ミカヤ】
本当!?
【サザ】
あぁ、本当だ。

追い詰められたからこそ、
ジェルドたちも
こんな無謀な手段にでたんだろう。
【ミカヤ】
………
【サザ】
だが、こうして
奇襲は失敗に終わった。

奴の手勢も、ほとんど
残っていないはずだ。
大した脅威だとは思えない。

再び姿を現すかもしれんが、
それなら、そこを撃退すればいい。
必要以上に気に病むことはないさ。
【ミカヤ】
………でも……
【漆黒の騎士】
私が助勢しよう。
サザが左を向く
【ミカヤ】
……
【漆黒の騎士】
あの者がなにを企もうと
私がそれを阻む。

我が剣、そなたのため役立てよう。
暁の…乙女よ。
【ミカヤ】
騎士様…
あなたが来て下さったのは
きっと女神の思し召し……

ご厚意に甘えさせていただきます。
よろしくお願いしますね。
【漆黒の騎士】
承知した。
【サザ】(右)
………

拠点(ペレアス)

【ペレアス】(左)
サザ、君が1人だなんて
めずらしいね。
【サザ】(右)
…ペレアス王子。
ミカヤに用でも?
【ペレアス】
うん、そのつもりだったけど…
彼女は人気者だからね。

ずっと兵士たちに囲まれていて
近づけなくって。
【サザ】
自軍の兵に遠慮して
どうするんだ。
【ペレアス】
でも、僕はお飾りだから。
デインの旗印として
存在してさえいればいい。

でも、【暁の巫女】は違う。
みんな彼女のためになら
喜んで命を賭ける。
【サザ】
あんた……
【ペレアス】
あ… 別に嫉妬してるとか
そういうんじゃないんだ!
ただ少し……羨ましいだけで。
【サザ】
………
【ペレアス】
そうだ、これ。
軍資金を君に渡しておくよ。
【サザ】
……大金ですね。
戦争は終わったのに?
【ペレアス】
うん、だからさ。
このお金は特別報酬として
兵たちに配ってくれてもいい。

なにもできない王子だけど……
みんなの働きには
どんな形であれ報いたいから。

じゃあ、頼んだよ。
ペレアス消える
【サザ】
王子…!

……不器用な人だな。

拠点(ジル)

【ジル】(右)
ミカヤ殿…!
ミカヤが右を向く
【ミカヤ】(左)
どうしたんですか、ジルさん。
【ジル】
天幕に戻ろうとしたら
ミカヤ殿の姿が見えたので……

どうしたんですか?
1人で陣を離れて。
【ミカヤ】
たくさんの人と話したら…
少し疲れてしまって。
こっそり休憩するつもりなんです。
【ジル】
そういえば顔色が悪いですね。
お休みになられるのなら
天幕のほうがいいですよ?
【ミカヤ】
サザやみんなに
知られたくないんです。
すぐ大騒ぎになってしまうから。
【ジル】
…分かる気がします。
サザって何に対しても
冷めた印象があるんですけど

ミカヤ殿のことになると
急に過保護というか……
【ミカヤ】
ずっと2人だけで
生きてきたものですから……
どうしても…そんな風に。
【ジル】
では、私が
薬を持ってきます。
ここで待っていてください。
【ミカヤ】
あ、いいんです!

ここから少し離れたところに
樹が見えますよね?
あそこで休めば、すぐに治ります。
【ジル】
でも…
【ミカヤ】
陣の中だし、1人で大丈夫です。
それに…ジルさんには
何か用があるんでしょう?
まだ早い時間なのに
宴を抜け出すくらい大切な……
【ジル】
……そんな
大した用じゃないです。
知人に手紙を書こうと思って。
【ミカヤ】
以前、聞かせてくれた
いっしょに荷運びの仕事を
やっていたという人ですか?
【ジル】
う~… 正解です。
ミカヤ殿は
何もかもお見通しですね。
【ミカヤ】
戦いが終わったことを
知らせるんですね。
【ジル】
はい。
とにかく厄介ごとを
嫌う人なんで……

ベグニオンに配達に行ったまま
ずっと戻らないのは
戦争が始まったからかなって。
【ミカヤ】
そんな理由で…?
【ジル】
年がら年中、
ちょっとでも時間があれば
居眠りをしているような人ですから。

デインで戦いが起きている間は
よりつかない可能性が高いんです。
【ミカヤ】
面白い人……
じゃあ、やっぱり急いで
手紙を書かないと。
【ジル】
本当に大丈夫ですか?
無理はしていませんね?
【ミカヤ】
ええ、心配いりません。
【ジル】
分かりました。
では、解放して差し上げます。

……そうだ、ついでにこれを。
【ミカヤ】
なんですか?
【ジル】
「すり抜けの書」です。
何かの役に立つかと思って
手に入れておいたんですけど。

よかったら貰ってください。
【ミカヤ】
ありがとう、ジルさん。
【ジル】
失礼します。