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会話集/1部 8章 望まぬ英名

ワールドマップ

ウムノ収容所の制圧と
ラグズたちを率いたトパックの参戦により

解放軍は戦力の大幅な増強に成功
ダルレカなどの要所を次々と連破し、勢力圏を拡大した

これにより安定した拠点を得た彼らは
勢いに乗って各地の収容所を次々と解放

経験豊富な兵たちを取り込みながら
王都をうかがうまでになった

それに呼応するようにデイン国内の暴動も激しさを増す

兵力的に、いまだ駐屯軍が圧倒的優位を保ってはいたが
その苦戦は誰の目にも明らかになってきた

オープニング

デイン王城
【ジェルド】(右端)
閣下、お呼びですか。
ヌミダが右を向く
【ヌミダ】(左)
ジェルド、困ったことになったぞ。

帝都では神使が視察団を組織し、
このデインへ派遣するという
動きがあるらしい。
【ジェルド】
ほほぅ…
……いつですか。
【ヌミダ】
まだ決議はおりておらんが、
このままにしておくわけにはいかん。
……わしは1度、帝都へ戻る。

元老院副議長ガドゥス公とは
以前より懇意にしておる。

あの方を頼れば……
全てなんとかして下さるだろう。
【ジェルド】
……その間、我々は何をしておけば?
【ヌミダ】
解放軍を…なんとしても潰しておくのだ!
あやつらさえいなくなれば、
何とでも申し開きはできる。

我らの進退がかかっておるのだ。
どんな手段を使ってもいい。
必ずや根絶やしにせよ!!
【ジェルド】
御意。
画面暗転
【アルダー】(右)
ヌミダ公がベグニオンへ……?
【ジェルド】(左)
ああ。普段は鈍いくせに、
こんな時ばかり素早いものだ。
【アルダー】
まさか、我々を切り捨てて
1人で逃げたんじゃあ……
【ジェルド】
わからん。
その可能性も十二分にあるが、
元来意気地のない方だからな。

自分の軍隊全てを犠牲にするまでの
覚悟はできていないだろう。
…少なくとも、今はまだな。

ガドゥス公に泣きつくつもりだと
本人は言っていた。
【アルダー】
元老院の力で、
すべて捻じ伏せられますかね?
【ジェルド】
いや、視察団の派遣が決まって
調査が入れば……いくら元老院でも
駐屯軍の所業をなかったことにはできん。

真剣な話、解放軍の奴らと接触されれば
一巻の終わりだ。

逆に、解放軍さえいなければ……
あのヌミダ公でも
なんとかしてくれることだろうさ。

俺たちが生き残るためには、
あいつらを潰す他、手段はない。
【アルダー】
……どうします?
【ジェルド】
シフ沼にあいつらをおびき出せ。
捕虜を処刑するという情報を流せば、
奴らは確実に出てくる。

出てこないなら、出てくるまで
捕虜を殺し続けろ。
【アルダー】
はっ!!
画面暗転
【ミカヤ】(上)
………
もう大丈夫?
【デイン兵】(下)
はい!
ありがとうございます!
【デイン兵】(上)
すごい……
あのひどい傷が消えている。
【デイン兵】(下)
ありがたい……
【銀の髪の乙女】の奇跡の御業を
間近で見られるなんて。
捕虜が出現
【捕虜】(下)
【銀の髪の乙女】!
助けてください、助けて……!
【ミカヤ】(上)
どうしたの!?
落ち着いて話して。
【捕虜】
みんな殺されてしまいます!
お願いです、助けてください!!
画面暗転
【ペレアス】(左)
ジョド収容所の捕虜が
シフ沼に集められ処刑されている……?
【タウロニオ】(右)
ジョドだけではありません。

ユフトル、マノなど、
この近辺の収容所の捕虜をすべて、
沼に沈めるという計画のようです。
イズカ現れる
【イズカ】(左端)
そのような情報、私は聞いていない!
いま捕虜を殺して
ベグニオンに何の得がある?

生かしておけば我々に対して、
人質としての効果もあるというのに。
虚報だ! でなければ敵の罠だ!!
サザ現れる
【サザ】(右端)
…少し探った感じでは、
確かに捕虜収容所に
おかしな動きがあるようだ。

何か、捕虜を殺さないと
まずい事情ができたんじゃないか?
【イズカ】
その事情とはなんだ?
【サザ】
……そこまでは掴めなかった。
【イズカ】
愚か愚か!
そのようなあやふやな考えで
軍を動かすことなどできるものか!!
タウロニオ・サザ消え、ミカヤ現れる
【ミカヤ】(右)
……罠かもしれません。
でも、実際に捕虜がシフ沼に
集められているのは確かなんです。

わたしたちが行かなければ、
きっと彼らは殺されてしまいます…!
【イズカ】
行く必要などない!
罠とわかっていて飛び込むなど、
みすみす殺されに行くようなものだ!!
【ミカヤ】
……捕虜を見殺しにすると?
【イズカ】
そうだ!
ペレアスが左を向く
【ペレアス】(左・左向き)
イズカ! そ、それは……
【イズカ】
王子、ご辛抱ください。
王とは……慈悲深さと同時に
冷酷さも求められるもの!

大を生かすために、
小を捨てねばならぬこともあるのです。
【ミカヤ】
…………
【イズカ】
私とて苦渋の決断!!
しかし、いまここで
解放軍が敗れ去りでもすれば……

デイン復興の夢はその刹那に
あえなく断たれてしまう!!
これはデインのための英断なのです!
【ペレアス】
……わ、わかった。
【ミカヤ】
ペレアス王子…っ!
ペレアスが右を向く
【ペレアス】(左)
ごめん、ミカヤ……
イズカの言うとおりにしてくれないか。
【ミカヤ】
……わかりました。
では、この軍の兵は連れていきません。

わたしと…元の仲間だけで
シフ沼へ向かいます。
【ペレアス】
ミ、ミカヤ……!
【イズカ】
必要ないと言って――
【ミカヤ】
それが許されないのなら、
わたしひとりでも行きます。
ミカヤ消える
【イズカ】
待てっ! 待つんだ!!
勝手なことは許さんぞ!
ペレアスが右に移動
【ペレアス】(右)
イズカ……!
彼女を行かせてやってくれ。
頼む。このとおりだ。
【イズカ】
王子…くっ……!

拠点終了後

【ラドミム】(上)
よし、始めよ!
【帝国兵】(上)
ラドミム将軍のご命令だ。
捕虜を沼に沈めろ!
フォーカス移動
【ならず者】(上)
さあ、
とっとと入んねえか!!
ならず者が捕虜に体当たりする
【青年】(上)
うわぁぁ!
いやだ! いやだ!!
助けてくれーーーっ!
ミカヤ出現
【ミカヤ】(上)
やめなさい!
ミカヤ・サザがならず者に攻撃
【帝国兵】(上)
き、貴様らは…!
【ミカヤ】(下)
私たちはデイン解放軍です!
みなさん、すぐに助けますから
気をしっかりもってください!!
【青年】(上)
解放軍っ!?
王子の軍が
助けにきてくれたのか!?
フォーカス移動
【青年】(上)
あの髪の色……
あの方が、もしや
【銀の髪の乙女】っ!?
フォーカス移動
【青年】(上)
デインの救世主だ!
フォーカス移動
【ラドミム】(下)
これが罠だと知ってか知らずか…
本当に現われおったわ。
総員、戦闘配備につけ!
帝国兵出現
【ラドミム】(下)
どうだ、乙女よ!?
これではいかなおまえとて
生きて逃げ延びることかなうまい!
フォーカス移動
【ミカヤ】(上)
く… やはり罠……
【サザ】(下)
だが、こちらも
無策で来たわけじゃない!
【サザ】(上)
トパック! 頼む!!
トパックたち出現
トパックたちがならず者を倒す
フォーカス移動
【ミカヤ】(下)
ニケ様っ! オルグさん!!
ニケたち出現
ニケたちがならず者を倒す
【帝国兵】(上)
はっ…半獣だっ!!
こんなにも半獣が…
ん…!?
ラフィエル出現
【ミカヤ】(下)
え…ラフィエルさん!?
ラフィエルが呪歌を使用
ニケたちがならず者を倒す
【ミカヤ】(下)
なにが起こったの…?
【サザ】(上)
ぼんやりするな、ミカヤ!
いまのうちに陣を整えよう。
【ミカヤ】
え…ぁ、ええ!

ミカヤ⇔ラフィエル

【ミカヤ】(下)
ラフィエルさんまで…
来られたんですか?
【ラフィエル】(上)
女王のおられる場所が
私の居るべき場所。

私は【呪歌謡い】……
戦うことはできなくとも、
味方に力を与えることができます。
【ミカヤ】
…1つの時の間に
2つのことが行える……
さっきの不思議な力ですね?
【ラフィエル】
ええ、あれもそうです。

【負】の気が蔓延する戦場で
謡える呪歌は…
そう多くはないのですけれど。
【ミカヤ】
…助けてくださるんですね?
【ラフィエル】
あなたの助けとなること……
それもまた、私の喜びです。
【ミカヤ】
ありがとうございます。

ミカヤ⇔ニケ

【ミカヤ】(下)
あの…よかったんですか?
ラフィエルさんまで……
【ニケ】(上)
ラフィエルは飛ぶことが
できぬゆえ、動きが鈍い。

それでも…呪歌の効果は
連れて行く価値のあるものだ。

ただし、いつでも護れるよう、
私の傍から離さぬよう
気を配ってもらわんといかんが。
【ミカヤ】
わかりました。

ミカヤ死亡時

【ミカヤ】(上)
ごめんなさい……
私の勝手で…みんなまで……
……サ…ザ… ………………
【ラフィエル】(下)
ミカヤ……
なぜ… なぜ…あなたが……
こんな………

ラドミム初戦時

【ラドミム】(上)
我が軍が…押されている?
その、尋常ならざる戦いぶり……
“乙女”とやらの力によるものなのか?
対ミカヤ
【ラドミム】(上)
銀の髪の乙女とやら!
必ず来ると思っていたぞ。

ここで捕虜を見捨てれば、
お前の名声に傷がつこうからな?
いやでも来ざるを得まい。
【ミカヤ】(下)
わたしをおびき出す…
そんなことのために……
抵抗できない人々を
いったい何人死なせてきたの!?
【ラドミム】
ふん! くだらぬ芝居を…!

デインを救う奇跡の乙女……
戦意を失ったデインのために
大した作り話を仕立て上げたものだ。

だがそれもここで終わりよ!
娘! その正体を見せるが良い!
対オルグ・ムワリム・ビーゼ
【ラドミム】(上)
“乙女”とやらは
半獣どもまで従えるか!
だが半獣退治なら慣れたものよ!
対ラフィエル
【ラドミム】(上)
絶滅したセリノスの鷺までが……!?
銀の髪の乙女……
いったい何者なのだ?
対ニケ
【ラドミム】(上)
何者だ!?
ガリアの半獣ども……
いや、違う……?

ラドミム撃破時

【ラドミム】(上)
あの娘の……力……
……危険すぎる……
生かしておいては……ならぬ……

クリア後

【ミカヤ】(上)
もうすぐ陣営ね。
勝手なことをしてしまったけど……
王子は許してくださるかしら。
【サザ】(下)
捕虜の無事な姿を見れば、
きっと喜んでくれるさ。

……もっとも、あのイズカ殿は
渋面つくってるだろうけど。
【ミカヤ】
……ねぇ、崖の下から
なにか聞こえてこない?
【サザ】
人の騒いでる声だな。
…崖下といえば、解放軍の陣営がある。
何を騒いでるんだ?
サザとミカヤが移動
フォーカス移動
【デイン兵】(上)
あ、あれを見ろ…!
乙女が帰ってきたぞ!
捕虜もいっしょだ!!
【デイン兵】(下)
乙女がまた勝った!!
敵の罠を打ち破ったんだ!
【デイン兵】(上)
暁の団の【銀の髪の乙女】がいる限り、
俺たちは負けない!
【デイン兵】(下)
見ろよ! あの神々しいお姿を!
乙女の銀の髪に暁の光が輝いて…
なんて…美しい姿なんだ……!
【デイン兵】(上)
乙女は、まさに女神の祝福を受けている…
女神の巫女だ!
【銀の髪の乙女】!! 我らが巫女!
【デイン兵】(下)
暁の…巫女!
ミカヤ様、ばんざいっ!!
フォーカス移動
【ミカヤ】(下)
ど、どうしたのかしら?
【サザ】(下)
ここからじゃ、何を言ってるのか
まったく聞き取れないな。
ニケ・ラフィエルが移動
【ニケ】(下)
ミカヤの捕虜救出成功を
兵たちが祝っておるようだな。

手を振ってやるといい。
みなが喜ぶだろう。
【ミカヤ】(上)
私がですか?
【ニケ】
それも将たる者の務め。
無事生還したのだと、
一刻も早く知らせてやることだ。
【ミカヤ】
あ…… そうですね。
わかりました。
フォーカス移動
ミカヤが手を振る
フォーカス移動
【デイン兵】(上)
おおおおおおおおーーーー!!
【デイン兵】(下)
ミカヤ様!!
【デイン兵】(上)
ミカヤ様!!
【暁の巫女】ミカヤ様!!
画面暗転
【サザ】(下)
ここにいたのか。
【ミカヤ】(上)
サザ……
サザが移動
【サザ】(下)
正直、驚いたな?
あの熱狂的な歓迎ぶりにはさ。
【ミカヤ】(上)
驚いたっていうか……
ううん、なんでもない。
【サザ】
………ミカヤ?
トパック出現
【トパック】(下)
サザ…!
ごめん、ちょっといいか!?
【サザ】(上)
…トパック!
どうしたんだ? そんなに慌てて。
【トパック】
ムワリムの様子が……
おかしい。
【サザ】
どういうことだ?
【トパック】
頼む…
いっしょに来てくれ!
【サザ】
わかった。
【ミカヤ】(上)
わたしも行くわ。
画面暗転
【ムワリム】(上)
グ…グルルル…
【トパック】(下)
だめだ!
ムワリム、しっかりしろ!
おいらを見ろ!!
ムワリムが化身解除
【ムワリム】
……ぐ……
ぼ…坊ちゃ…ん……
【サザ】(上)
…なにがあった……?
【トパック】(下)
わからない……

突然、化身したかと思うと…
そのまま毛を逆立てて
苦しそうに唸ってるんだ。

おいらが必死で…
何度も声をかけてやると
そのまま気を失って元に戻るけど……

目覚めたらまた…
同じ状態になっちまうんだ。
何回も何回もその繰り返しで……
【サザ】
トパック……
俺の思い違いじゃなければ…
いまのムワリムさんの目は……
【トパック】
あいつらと同じ色…してるだろ?
わかってる…わかってるから……
おいら……怖えよ。
【ミカヤ】(下)
なにと…同じなの?
【サザ】
それは……

!!
【トパック】(下)
また…!?
どうすればいいんだ……
どんどん時間が短くなってってる…
【ムワリム】(上)
グ…
グァ…
【トパック】(下)
ムワリム!
しっかりしろっ!
おいらを見るんだ!

ムワリムっ!!
【ムワリム】
ガ… 体が……
……いけない……
坊ちゃ…離れて……
【トパック】
だめだ!
“なりそこない”になんか
なっちゃだめだ!!

ムワリム!
おいらを見ろ!!
【ムワリム】(上)
ガ… ガ…ガ……
【サザ】(下)
この歌は…
ラフィエル出現
ラフィエルが呪歌を謡う
【ミカヤ】(下)
!!
ムワリムが倒れる
【ムワリム】(上)
…グ ……
【トパック】(下)
あ… ムワリム!
ムワリムっ!!
ラフィエル移動
ニケ・オルグ出現
【ラフィエル】
……歪められた体は、
【再生】の呪歌により
正しい状態に戻りました。

もう、大丈夫…
【トパック】(下)
あり…がと……
………っがと…
………
画面暗転
【ミカヤ】(上)
あの歌は…なに?
とても不思議な旋律……
【サザ】(下)
【再生】の呪歌だ。
先の戦いでも、
白鷺の王子と王女が歌い――

色を失った森に命を取り戻し…
歪められたラグズの心を救った。
【ミカヤ】
…………
【サザ】
…?
どうしたんだ、ミカヤ。
【ミカヤ】
…ううん……
なんだか、変なの。

……体の内側から…
熱いものが込みあげてくるような…
そんな感じ。
【サザ】
わかる。
俺も初めて耳にした時は、
体が震えるぐらい感動した。
【ミカヤ】
………うん…
【サザ】
さあ、それよりも…
ムワリムさんが目覚めたら、
事の真相を聞かないとな。

このままにはしておけない。
画面暗転
【ペレアス】(上)
“なりそこない”…?
【サザ】(下)
3年前の戦いで…
デイン軍によって造りだされた
生物兵器――

おぞましい生態実験によって
姿を歪められたラグズのことだ。
【イズカ】(上)
おぞましいだと!?
おまえたちは、この私のすばらしき
研究成果を否定する気か!?
【ミカヤ】(下)
じゃあ、認めるんですね?

ムワリムさんに渡した飲み物の中に…
“なりそこない”の薬を
混入していたことを。
【イズカ】
それの何が悪いと言うのか!
あの薬を飲めば、
常に化身していられるのだぞ!?

ラグズの高い戦闘能力を最大限に
活かすことができるのだ。
これほどよいことはないだろうが!
【トパック】(下)
…ふざけんなっ!!
“なりそこない”は
化身しっぱなしの代償に命を削る……

自我が破壊され、狂ったまま
死ぬまで戦い続けるんだ!
おまえは、そんな薬をムワリムに…っ!
【イズカ】
駒となって動く兵士に
自我などはいらん!
かえって邪魔になるだけだ。

確かに…短命となるのは、
あの薬の改良すべき点ではある。
だからこそ、さらなる実験を……
【ミカヤ】(下)
ムワリムさんは…トパックにとって
親代わりの大切な人で……
わたしたち解放軍の仲間なんですよ?

その命をいったい
なんだと思っているんですか!?
【イズカ】
…どうやったかは知らんが、
結局、元に戻ってしまったのだろう?
だったら何の問題もないではないか。

なぜこのように大騒ぎするのだ。
馬鹿馬鹿しい。
【ミカヤ】
あなたという人は――!
【ペレアス】(上)
待ってくれ!

イズカが半じゅ…ラグズの彼に、
ひどいことをしたのは分かった。
悪かったと思う。

しかし、イズカも
軍のためを思ってやったことなんだ。
どうか許してくれないか。
【ミカヤ】(下)
ペレアス王子……
【トパック】(下)
………
【ペレアス】
トパック……
本当にすまなかった。

“なりそこない”の薬は
2度と使わせない。
実験もさせないと約束する。

………このとおりだ。
【イズカ】(下)
王子!?
王族がこやつごときに
頭を下げるなどあっては……!!
【トパック】
…………………
【ペレアス】
イズカは僕の大切な臣下だ。
臣下の過ちは主の過ちも同然……
だから……
【トパック】
…………もういい。
トパック退場
【サザ】(下)
トパック…!
【ミカヤ】(上)
……
画面暗転
ベグニオン帝国 シエネ
【サナキ】(右)
……それは真か?
【ルカン】(左)
はい、神使様。

デインにて、我が国の駐屯軍が
非道なる行ないを行なっていたのは
まぎれもない真実にございます。

そしてそれは、駐屯軍総督ヌミダ公の
まったく預かり知らぬところで
行なわれていたのです。
【サナキ】
………妙な話もあるものじゃ。
デインではこの3年の間に
無数の強制収容所が建設され、

そこには帝国への
逆心のあるなしを問わず、
無数の若者が送られていたと聞く。

その全てを……総督であった
ヌミダが知らぬと申すのじゃから。
【ヌミダ】(左端)
私をお疑いであるのは、
もっともかと存じます。

しかし…しかしですな……
このヌミダは元老院議員にございます。

それは女神に生涯を捧げ
終生、嘘偽りのない政を行なうと
誓った証にございます。

どうか…どうかそれを
お忘れなきよう……!
【ルカン】
確かに…監督不行き届きという点では、
ヌミダ公が無罪とは言えぬでしょうな。

元老院と致しましても、
決して軽くはない処罰を与えんとして…
検討しております。
しかし、神使様。
いまこの時点においても、
苦難のどん底に貶められているデイン国民を
駐屯軍の圧政から救い出す……

それこそが急務であると
私は考えておりますが、いかがでしょうな?
【サナキ】
無論じゃ。
そなたも同じ考えであれば、
話は早い。

即刻、現状を
正確に把握するための視察団を組織し
デインへ送るのじゃ。

聞けば、デインでは
亡きアシュナード王の遺児が
軍を起こして戦っているという。

視察団にはまず
彼らに会見を申し込ませ、
ベグニオンの意向を伝えさせるのじゃ。

そして理解を得た後、
そのまま駐屯軍の鎮圧に当たらせよ。
【ルカン】
ははっ!
ただちにそのように手配致しまする。
視察団の長は、是非とも
このルカンめにお任せくだされ。

帝国の面汚したる駐屯軍は
その地にて断罪の後、2度と
故郷の土を踏ませぬとお約束しますぞ。
【サナキ】
いや…それはならん。
【ルカン】
! …何ゆえでしょうかな?
【サナキ】
駐屯軍への処罰については、
彼らの言い分も聞いた上で決める。

駐屯軍にはそれをきちんと
申し渡した上、降伏するよう説得せよ。
【ルカン】
…で、では
そのように……
【サナキ】
それから、視察団の長には
ペルシス公を任じる。
よいな、セフェラン。
ルカン・ヌミダ消え、セフェラン現れる
【セフェラン】(左)
かしこまりました。
ルカン現れる
【ルカン】(左端)
し、しかし…!
【サナキ】
私は事が重大であると見ておる。
それ故、此度の役目には、
元老院副議長のそなたより…

議長であるペルシス公が
より適任であると判断する。
……以上じゃ。
すみやかに行動せよ。
サナキ・セフェラン消える
【ルカン】
ぐっ……
ヌミダ現れる
【ヌミダ】(右)
ル、ルカン殿…っ!
わしはいったい
どうすればよいのだ!?
ルカン前に出る
【ルカン】(左)
ヌミダ公よ、こうなった以上……
そなたがデインに残してきた軍勢、
全て犠牲にしてもらうぞ。
【ヌミダ】
な…っ!? そんな馬鹿な…!
将軍ジェルドと数名の命を差し出せば、
丸く収めていただけると……
【ルカン】
事情が変わったのだ。
そなたも己の身が可愛ければ
覚悟を決めるがいい。

なに…ほとぼりが冷めれば
わしのところから新たに
兵を分け与えてやってもいい。
【ヌミダ】
そ、そういうことでしたら…

わかりましたぞ。
デインのことは、悪い夢でも見たのだと
思うことに致しましょう。では……
ヌミダ消える
【ルカン】
…………………小娘が…!
よくも、小賢しい真似を……
…………サナキめ……!

拠点(サザ)

【サザ】(右)
…大体、準備完了だ。
トパックたちにも事情を話して……
【ミカヤ】(左)
……
【サザ】
…ミカヤ?
【ミカヤ】
あ… ごめんなさい。
【サザ】
……俺たちの間で隠し事はなしだ。
3年前にそう約束したよな?
【ミカヤ】
………………
ムワリムさんにばれちゃった。
私が人より成長が遅いこと。
【サザ】
そうか……

…でも、大丈夫だ。
あの人は信頼していい。
【ミカヤ】
うん、それはわかっているの。
ムワリムさんは大丈夫……
でも、他の人たちはどうかしら?

私の力が、呪われた血によって
生まれたものだと知ったら……
どんな顔をするかしらね。
【サザ】
ミカヤ…!
【ミカヤ】
いまは暖かい人々の眼差しが…
私の正体を知った途端、
奇異なものを見る目に変わる……

そんなことになったら…
わたし………耐えられない……
【サザ】
………やめようか。
【ミカヤ】
え…?
【サザ】
無理な話だったんだ。

人の目を避けるようにして
生きてきたミカヤが
こんな立場になるなんて……

いつかその重荷に
押しつぶされるんじゃないかって
ずっと心配だった。
【ミカヤ】
そうね……
こうなるのは最初から
わかっていたことなのに……

それでもわたしは受けた。
いまさら…やめるなんて無理よ。
【サザ】
けど……
【ミカヤ】
ねえ、サザ…
デインが戦争に負けて
初めて知ったことがあるの。
【サザ】
…なんだ?
【ミカヤ】
自分が…どんなに
祖国を愛しているかってこと。
【サザ】

【ミカヤ】
3年前の戦いのあと
デインでサザを待ちながら
わたしは初めて…人々に交わって暮らしたの。

戦争に敗れて…
どこもかしこも荒れていて……
誰もが助け合わないと
生きていけないような状態だったわ。

みんなで励ましあって、支えあって、
苦境を乗り越えようと頑張っていた。
【サザ】
………
【ミカヤ】
知らなかったけど……
人って、とても強いのね。
そして優しい…

みんなわたしの素性を知らないのに、
同じデイン人だってだけで
とても親切にしてくれた。
仲間だって迎えてくれた。
【サザ】
…………
【ミカヤ】
わたしは人の暖かさを
知ってしまった。
だから、それを失うのが
とても怖い………
【サザ】
………ミカヤ……
【ミカヤ】
でも、そんなことは
いま考えても仕方ないわ。

デインを救うために
わたしの力が必要なら…
逃げないで踏みとどまってみせるわ。
【サザ】
…せっかくの決意に
水を差して悪いけど、

いよいよ無理だって時には
俺はミカヤを連れて逃げるからな。
【ミカヤ】
サザ…!
【サザ】
デインも仲間も大事だが、
ミカヤほどじゃない。
…それは忘れないでくれ。
【ミカヤ】
………うん…
ありがとう……サザ…

拠点(タウロニオ)

【タウロニオ】(左)
すまぬな、ミカヤ殿……
今回ばかりはイズカ殿の
言い分にも頷けるところが多い。
【ミカヤ】(右)
わかっています。
これは私が勝手にすること…

将軍やみんなは
どうか王子を守ってください。
サザ現れる
【サザ】(右端)
ミカヤには俺がついている。
それに…助っ人も用意したしな。
大丈夫、生きて戻ってくるさ。
【タウロニオ】
…その言葉、信じよう。

そなたたちに武運を。
たいした物ではないが、
これをもって行くがいい。
【ミカヤ】
変わった杖ですね。
どんな力があるんですか?
【タウロニオ】
レストの杖といって
毒、麻痺、眠りといった
さまざまな状態から回復させられる。

敵はどんな罠を仕掛けてくるか分からぬ。
備えておくといいだろう。
【ミカヤ】
タウロニオ将軍…
ありがとうございます。
わたしたち、必ず戻ってきますから。
【タウロニオ】
うむ。
捕虜たちのこと……頼む。

拠点(ビーゼ)

【ビーゼ】(右)
うーんと……
首領たちのいるのはどれかしら。

ベオクの天幕って
どれも同じで見分けがつかない……
ミカヤ現れる
【ミカヤ】(左)
何かお困りですか?
【ビーゼ】
あ……
ビーゼ消える
【ミカヤ】
ビーゼさん!?
ビーゼ現れる
【ビーゼ】(右端)
…………
【ミカヤ】
…いつも、そうやって
避けていますよね……
わたしが…嫌いですか?
【ビーゼ】
……ごめんなさい。
自分でもよく分からないんですけど
どうしても…ちょっと。
【ミカヤ】
そうですか……
【ビーゼ】
そ、そんな顔しないで!
別にあなたに
責任があるわけじゃないですし。

なんというか、あたしが
一方的に苦手意識を持ってて…!
【ミカヤ】
優しいんですね。
ごめんなさい、気を遣わせてしまって。
【ビーゼ】
……………………………
………もういいです。
【ミカヤ】
え…?
【ビーゼ】
いくら考えても理由は
分からないし…もうやめにします。
【ミカヤ】
だけど……
【ビーゼ】
無視されたり、一方的に
疎まれる辛さを……知ってるもの。

だから、ごめんなさい。
こんなあたしでよければ
仲良くしてやってください。
【ミカヤ】
あ、ありがとう……
すごく嬉しいです。
【ビーゼ】
そうだ。
これまでのお詫びに
ミカヤさんにいい物をあげます。
ビーゼ前に出る
【ビーゼ】(右)
どうぞ。
【ミカヤ】
綺麗な女神像……
とても優しい表情ですね。
【ビーゼ】
これを持っていると
いい事が起きるんですよ。

あたしが首領やムワリムさんに
出会えたのは…
きっとこれのお陰なんですから。
【ミカヤ】
ありがとう、ビーゼさん。
わたしの宝物にしますね。
【ビーゼ】
うん。